1 白兎姫(はくとひめ) 王子と私の夢語り 啓元(けいげん)大陸――人々が霊力を身につけていることが常識とされる地に生まれたことを、路卿卿(ろ・けいけい)は嘆いていた。どうしたことか彼女には霊力がなく、そのせいで屋敷から出ることさえ禁じられていたのだ。ある日、近所の子供たちのいたずらで、白いウサギに姿を変えられてしまった卿卿は、使用人たちが止めるのも聞かずに屋敷の外へと逃げ出す。街を走り回るうち、馬車にぶつかってしまう卿卿。その馬車から降りてきたのは、晋(しん)王――啓元随一の霊力者で、今は亡き南宮(なんきゅう)王の長子・一昕(いっきん)だった…。 ¥220 無料あり 2 玉昭令 明(みん)国の都・啓封(けいほう)府を震撼させる怪事件が起きた。全身が干からびた奇妙な死体が、2つも発見されたのだ。それは人間の所業ではないように思われた。そして、劉家(りゅうか)村でも同じような死体が。捜査に乗り出した捕吏長・展顔(てん・がん)たちは、3人の被害者の意外な共通点に気づく。それは彼らが皆、百花(ひゃっか)楼の妓女・翠玉(すいぎょく)と何らかの関わりを持っていたという事実であった。百花楼へと急ぐ展顔。ちょうど彼が妓楼へ辿り着いたのと同じ頃、翠玉の“正体”に気づいたある人物が、彼女と対峙していた…。 ¥220 無料あり 除外キーワードで絞り込む を除く